天使の舞―前編―【完】
「お座り下さい。」


シラサギは、乃莉子にベットに座るように誘導した。


悠の事も気にはなったが、乃莉子は勧められるままに、ベットの端に腰かける。


今はこちらの方を優先した方がいいと、乃莉子は思ったからだ。


乃莉子には座るように勧めたが、シラサギは座る気はないようで、ベットから少し離れた場所に控えたままで居た。


「あの…。シラサギさん。
私はアマネ様の妃になんて、なるつもりないんです。
安心して下さいね。」


乃莉子は遠慮がちに、呼びかける。


「私は…。」


呼び掛けに答えた風でもなく、シラサギは独り言を言うかのように、ポツリと話し始めた。


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