天使の舞―前編―【完】
先程見せた怒りの表情は既になく、シラサギは深々と乃莉子に頭を下げて、懇願した。
でも、乃莉子は釈然としない。
「そんなの、間違ってるわ。
お願いされたって、私、困ります。
あなた達、好き同士なんでしょう?
あなたが妃になればいいじゃないですか。」
乃莉子はシラサギに聞かされたばかりの恋物語を、実らせてあげたい気持ちになっていた。
でも…。
「それが許されないのが、王子という、お立場なのです。
アマネ様は生まれた時から、魔界の王子でいらっしゃいました。」
頭を下げたままでシラサギは、自分に言い聞かせるかのように、力強く乃莉子に断言した。
乃莉子には
『分かっていて、好きになった自分が悪いんだ』
と、シラサギが自身を責めているのが伝わってくる。
なんて切ない言葉を、口にするんだろう。
乃莉子はそう思わずに、いられなかった。
でも、乃莉子は釈然としない。
「そんなの、間違ってるわ。
お願いされたって、私、困ります。
あなた達、好き同士なんでしょう?
あなたが妃になればいいじゃないですか。」
乃莉子はシラサギに聞かされたばかりの恋物語を、実らせてあげたい気持ちになっていた。
でも…。
「それが許されないのが、王子という、お立場なのです。
アマネ様は生まれた時から、魔界の王子でいらっしゃいました。」
頭を下げたままでシラサギは、自分に言い聞かせるかのように、力強く乃莉子に断言した。
乃莉子には
『分かっていて、好きになった自分が悪いんだ』
と、シラサギが自身を責めているのが伝わってくる。
なんて切ない言葉を、口にするんだろう。
乃莉子はそう思わずに、いられなかった。