天使の舞―前編―【完】
その時、羽ばたきの大きな音が窓の外から聞こえた。
乃莉子とシラサギがびっくりして、振り向く。
目に入ったのは、不敵な笑みを浮かべて、慌てた様子で部屋の中へ進入してくる人影。
それは、白い翼を持った天界の王子だった。
彼は、窓枠に手をかけて叫ぶ。
「乃莉子!!」
その叫び声からも、焦っている様子が伝わってくる。
持ち前の機敏さで、ちょっとした隙をついて、悪魔達の包囲を掻い潜り、この部屋まで翔け上がって来たからだ。
一刻も早く、愛しい乃莉子を腕に抱いて、この場から立ち去る。
そんなキャスパトレイの焦りが、少々目先を狂わせた。
『見つけた』と言わんばかりに、キャスは窓際に立っていた乃莉子を小脇に抱え、颯爽と羽ばたいて、すぐに部屋を後にした。
余りのあっという間の出来事に、部屋の中に取り残されたシラサギは、成す術もなく立ち去る二人を呆然と見送ったのだが。
乃莉子とシラサギがびっくりして、振り向く。
目に入ったのは、不敵な笑みを浮かべて、慌てた様子で部屋の中へ進入してくる人影。
それは、白い翼を持った天界の王子だった。
彼は、窓枠に手をかけて叫ぶ。
「乃莉子!!」
その叫び声からも、焦っている様子が伝わってくる。
持ち前の機敏さで、ちょっとした隙をついて、悪魔達の包囲を掻い潜り、この部屋まで翔け上がって来たからだ。
一刻も早く、愛しい乃莉子を腕に抱いて、この場から立ち去る。
そんなキャスパトレイの焦りが、少々目先を狂わせた。
『見つけた』と言わんばかりに、キャスは窓際に立っていた乃莉子を小脇に抱え、颯爽と羽ばたいて、すぐに部屋を後にした。
余りのあっという間の出来事に、部屋の中に取り残されたシラサギは、成す術もなく立ち去る二人を呆然と見送ったのだが。