天使の舞―前編―【完】
「笑えねぇ冗談言うな!
顔が似てるからって、誰でもいい訳ないだろ!
それを本気で言ってんなら、お前相当のバカだぞ!」


シラサギの挑発にのって、キャスはついカッとして、大きな声を上げてしまった。


「おい!いたぞ!」


今の失態で悪魔の護衛兵に見つかったキャスは、シラサギと共に、すぐに取り囲まれた。


「アマネ様の命である。
天界の王子よ。
我々と同行していただく。」


捕まって連行されるのは不本意だが、どっちみち、引き返さないといけない。


乃莉子はまだ、キャスの腕の中にはいないのだから。


おとなしくキャスパトレイユは悪魔達に従って、体の前で手首に縄をかけられた。


「さぁ。シラサギ殿も参られよ。」


黒い揃いの護衛服を着た悪魔たちは、キャスパトレイユとシラサギを引き連れて、城へ向けて舞い上がった。
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