天使の舞―前編―【完】
黒き翼を持ちながら、階段をゆっくりと噛み締めるように昇る、二人の物好きとは、アマネとシラサギである。
どちらも言葉を紡ぎ出せずにいた。
アマネは魔界の王子であり、シラサギは王子のメイド。
向かっている先は、王子の妃になる人間が待つ部屋である。
この関係性は明確で、揺るぎないものだ。
しかし、胸の内に秘めた想いは違う。
口に出してしまったら、後戻り出来なくなってしまう。
それを二人は、恐れていた。
だから、お互いを愛しむ気持ちは封印され、心の奥深くにしまってあった。
どちらも言葉を紡ぎ出せずにいた。
アマネは魔界の王子であり、シラサギは王子のメイド。
向かっている先は、王子の妃になる人間が待つ部屋である。
この関係性は明確で、揺るぎないものだ。
しかし、胸の内に秘めた想いは違う。
口に出してしまったら、後戻り出来なくなってしまう。
それを二人は、恐れていた。
だから、お互いを愛しむ気持ちは封印され、心の奥深くにしまってあった。