天使の舞―前編―【完】
「アマネ様。」
アマネの気持ちが伝わってくると、戸惑いの顔でシラサギは、深紅の瞳の虜になった。
シラサギは自分の立場を、よくわきまえているつもりである。
ここで感情に流されて、自分の正直な気持ちをこぼしてしまえば、覇権はまた天界に託されてしまうだろう。
自分の身勝手のために。
シラサギは、ぐっと唇を噛み締め、硬い表情を作った。
「アマネ様の、今のお言葉を聞けただけで、私に思い残す事はございません。
どうか、王子。
それが魔王様の命であるならば、天界の王子より妃を奪い、迷う事なくお召し下さい。
そして私の存在など忘れて、どうか覇王に…。」
言い終わらない内に、シラサギはアマネに抱き寄せられた。
「シラサギ…。
何故、俺は王子に生まれた?
何故、俺はお前を愛した?
何故…。」
シラサギは、アマネの言葉を遮るように、そっと指で唇を塞いだ。
アマネの気持ちが伝わってくると、戸惑いの顔でシラサギは、深紅の瞳の虜になった。
シラサギは自分の立場を、よくわきまえているつもりである。
ここで感情に流されて、自分の正直な気持ちをこぼしてしまえば、覇権はまた天界に託されてしまうだろう。
自分の身勝手のために。
シラサギは、ぐっと唇を噛み締め、硬い表情を作った。
「アマネ様の、今のお言葉を聞けただけで、私に思い残す事はございません。
どうか、王子。
それが魔王様の命であるならば、天界の王子より妃を奪い、迷う事なくお召し下さい。
そして私の存在など忘れて、どうか覇王に…。」
言い終わらない内に、シラサギはアマネに抱き寄せられた。
「シラサギ…。
何故、俺は王子に生まれた?
何故、俺はお前を愛した?
何故…。」
シラサギは、アマネの言葉を遮るように、そっと指で唇を塞いだ。