天使の舞―前編―【完】

  天使の本領発揮

明るいミルクティー色の緩い天パに、象牙色の肌。


その両者の色味に一層映える、深海色の瞳。


白き大きな翼を持ち、白いスーツに身を包む天界の王子は、身動きとれない姿をしていても、息を飲む程に艶やかであった。


可愛らしい男の子という印象は消え、大切なモノを守るという強い意志を、その瞳は回りに教えているかのようだ。


凛々しい輝きを放ち、深海の色をした瞳に、キャスパトレイユは力を込めた。


一人見張りの為に残っていた魔界の兵士が、背中越しに嫌な異変を感じて、ゆっくりと振り返る。

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