天使の舞―前編―【完】
「アマネ様!」


同じくしてシラサギは、アマネを心配して声をかけていた。


「お怪我ございませんか?」


シラサギは、下を向いて苦痛の表情をしているアマネの背中を、優しくさする。


そしてキャスパトレイユに、厳しい視線を投げた。


「何と無礼な!」


キャスパトレイユをキッと睨み、シラサギは鈴の音のような涼やかな声で、精一杯凄んだ。


「無礼はどっちだよ!
バカヤロウ!」


キャスは腕の中にしっかりと乃莉子を抱いて、シラサギに言い返した。


「メイド。
お前よく平気でいられるな?
好きな男が部屋の中で、何をしてたか知ってたんだろ。
俺なら、堪えられねぇけどな。」


「乃莉子様は、我が王子のお妃になられるお方です。
何も、問題はございません。
私は、進んで見張りをしておりました。」


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