天使の舞―前編―【完】
「持って行かれるとは、人聞きの悪い。

乃莉子を見つけて妃にしたのは、俺の手柄だし合意の上だ。

それより・・・。

ふ~ん、成る程ね・・・。

お前の親父さんが、恋敵に負けたから、これはそのリベンジだった訳ね。

お前が命令されてた行動の意味が、やっと分かったぜ。

可哀想にな。

親の復讐劇に、利用されてたのか。

・・・でもよ。

少なからず魔王の親父さんは、俺の母親を、本当に好きだったはずだ。

でなけりゃ、息子を使って復讐するほど、執着するはずない。

アマネはどうなんだ?

お前にとって乃莉子は、そういう対象じゃないよな。

単に、覇王になるための妃で、魔王に命令されたから、欲してる。

だってお前が好きなのは、シラサギなんだもんな。

違うか?」


「・・・っ!」


「親父さんに言われるがまま、妃を奪って覇王になって、お前はそれでいいのか?」


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