天使の舞―前編―【完】
シュカは丁寧に、二人に一礼する。


「魔界の王子よ。
しばらくでございました。
随分と立派な王子に、なられましたな。
僭越ながらこのシュカめも、嬉しく思いますぞ。」


シュカも天王の側近として、会議などには同行する。


そのためシュカは、アマネとは面識があったのだ。


シュカは軽くアマネに、笑ってみせたが、すぐに表情を引き締めた。


「魔界のお二方もお連れするようにと、天王より言遣っております。
さぁご一緒に、参られよ。」


言い終えるとシュカ達は、上空に舞い上り、キャスパトレイユ達を待つ。


「だってよ。
行こうぜ。」


キャスパトレイユは乃莉子を抱き抱えると、大きな翼をはためかせ、シュカの後に続いた。


アマネとシラサギは、戸惑いの表情でしばらく見つめ合ったが、ここは天界。


素直に、シュカの申し出に従うことにした。


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