天使の舞―前編―【完】
でも乃莉子には分からない。


だって、確かに乃莉子の目の前で、キャスパトレイユはライラに寄り添われていた。


ライラの他にも、まだそういう関係の女性が居るらしい。


そう思うと乃莉子は、キャスパトレイユの考えなど、分かりたくもなかった。


「お願い、シュカさん。
私を人間界に連れてって。
後から来た私が、あの人達の恋の邪魔はしたくないの。」


「ですが、キャスパトレイユ様は本気で乃莉・・・」


「お願い!」


声を強めて乃莉子は言った。


シュカは困った顔で、そんな乃莉子を眺めた。


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