天使の舞―前編―【完】
そんな中ついに、気が進まないながらも降り立った人間界で、キャスパトレイユは乃莉子に出会い、初めて本気になるという気持ちを知る事になる。


誰かを愛するとは、こういう事なんだと、体感したのだ。


まさかこの俺様が、誰かのために、なりふり構わず魔界に乗り込んで行くだなんて、夢にも思っていなかった。


そんな大切な乃莉子を奪還した矢先に、母はとんでもなく余計な事を言ってくれた。


そんな母に、一言物申さねば、キャスパトレイユの気は収まらなかったのだ。


ライラからシンシアが中庭に居ると聞いたキャスパトレイユは、ライラを強引に突き放して、今、中庭へと向かっていた。


全速力で。


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