天使の舞―前編―【完】
悠は乃莉子の始めて見る笑顔に、トクンと鼓動が揺れた。


そして、乃莉子が作った美味しいご飯。


まじまじと悠は、乃莉子を見つめた。


オムライスを一口自分の口に運び、視線を感じた乃莉子は、悠に目を向けた。


「何?
・・・あ~あ。
ほっぺにご飯付けて・・・。
子供みたいね。」


年の離れた弟がいる乃莉子にとっては、ごく当たり前の行動だった。


手を伸ばして、向かいに座る悠の頬から、ご飯粒を取ってあげただけ。


でも悠には、かなり衝撃的な一幕であったようだ。


「・・・・・・!!!!!」


悠の顔はたちまち茹でだこみたいに、なってしまった。
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