天使の舞―前編―【完】
気がつけば、乃莉子の部屋の窓からは朝陽が射し込み、一夜を共に過ごす結果になっていた。


悠の腕と翼にくるまれて、乃莉子はそのまま、眠ってしまったようだ。


自分の警戒心の無さとは言え、目覚めた時に密着している悠に気づいて、青ざめたのは言うまでもない。


時計を確認して、更に青ざめた乃莉子。


『起きたら帰って下さい』
と、メモだけを残して、慌てて支度を整えると、まだ眠る悠はそのままに、乃莉子はメルヘンへと向かうのであった。


また今日も、いつもと変わらない、乃莉子の忙しい一日が始まる。


そんな乃莉子の日常の中で、偶然悠と出会ってしまった事。


それは残念ながら、ほんの始まりに過ぎなかったのだ…。


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