天使の舞―前編―【完】
不躾に口を挟まれて、彼方はチラッと宮田を見下ろす。
「うるさい、何だ?」
面倒くさそうに彼方は、宮田に対して王子の威厳たっぷりに一喝した。
冷ややかに、彼方の切れ長の瞳で見下ろされて、たちまち宮田の自信は影を潜めてしまう。
「いえ・・・。」
宮田はうろたえて、矛先を乃莉子に変えた。
「ひ・・・広木さん。
とりあえず、中に入ろうかぁ。」
「はい。そうですね。
それで、店長…。
昨日といい、今日といい、遅刻してしまって、本当に申し訳ありませんでした。」
もう一度乃莉子は深々と頭を下げた。
「いいよぉ!いいよぉ!」
と手を振りながら、店に入る宮田に続いて、乃莉子も店に入る。
その乃莉子に、彼方も続く。
慌てて乃莉子は、そんな彼方を制した。
「あなたまで来る事ないのよ。
私はこれから仕事なんだから。
それと・・・。
妃とか、そういうのも、もう止めて。
悠くんだけで、充分迷惑しているのよ。」
乃莉子は小声ながらも、彼方に忠告せずにはいられなかった。
「うるさい、何だ?」
面倒くさそうに彼方は、宮田に対して王子の威厳たっぷりに一喝した。
冷ややかに、彼方の切れ長の瞳で見下ろされて、たちまち宮田の自信は影を潜めてしまう。
「いえ・・・。」
宮田はうろたえて、矛先を乃莉子に変えた。
「ひ・・・広木さん。
とりあえず、中に入ろうかぁ。」
「はい。そうですね。
それで、店長…。
昨日といい、今日といい、遅刻してしまって、本当に申し訳ありませんでした。」
もう一度乃莉子は深々と頭を下げた。
「いいよぉ!いいよぉ!」
と手を振りながら、店に入る宮田に続いて、乃莉子も店に入る。
その乃莉子に、彼方も続く。
慌てて乃莉子は、そんな彼方を制した。
「あなたまで来る事ないのよ。
私はこれから仕事なんだから。
それと・・・。
妃とか、そういうのも、もう止めて。
悠くんだけで、充分迷惑しているのよ。」
乃莉子は小声ながらも、彼方に忠告せずにはいられなかった。