天使の舞―前編―【完】
―――。


「アマネ。
念を押すが…。
わかっているな？」


悪魔の国、魔界。


この王宮でも、王の間に王子が呼ばれていた。


「はい、父上。
覇権はこの手に。
私は覇王になって、戻って参ります。
愛する人間を見つけて、必ずや妃にしてみせます。」


威圧的に命令されて、魔界の王子アマネは、父である魔王アカツキに、ひれ伏した。


「アマネよ。
その事だが、いい方法があるのだ。
効率よく、全ての負けをリセットできる方法が。」


魔王は妖しく笑う。


「は･･･い･･･？」


久しく見た父の笑みに、アマネは身震いした。


魔界に於いての親子関係は、魔王と王子と、いうだけのものであり、上辺だけの冷めたものであったのだ。


アカツキは冷めた笑いを崩すことなく、アマネに自らの計画を語り始めた。


黙って聞き役に徹していたアマネだったのだが、話が核心に触れると、徐々に表情が強張っていった。


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