天使の舞―前編―【完】
彼方の行動を見て、隠すことなく、ムッとした表情をみせる悠。
「お前に守ってもらう義理はねぇよ。
乃莉子は俺のヨメなんだ。
俺がきっちり守るからよ。」
「それが、そういう訳にはいかないんだ。
乃莉子は俺の妃でもある。」
悠にしたり顔で、浅い笑いを返す彼方。
でも眼鏡の奥の切れ長の瞳は、笑ってはいない。
驚いた悠は、怒りを孕んだ目で彼方を見つめ返した。
「アマネ…。
お前自分が何を言っているのか、分かっているのか?」
「ふっ…。
“悠”くん、だったかな?
俺はアマネじゃない。
“彼方”だ。
乃莉子が付けてくれた名だ。」
勝ち誇った表情で、彼方は乃莉子の肩を抱いた。
「お前に守ってもらう義理はねぇよ。
乃莉子は俺のヨメなんだ。
俺がきっちり守るからよ。」
「それが、そういう訳にはいかないんだ。
乃莉子は俺の妃でもある。」
悠にしたり顔で、浅い笑いを返す彼方。
でも眼鏡の奥の切れ長の瞳は、笑ってはいない。
驚いた悠は、怒りを孕んだ目で彼方を見つめ返した。
「アマネ…。
お前自分が何を言っているのか、分かっているのか?」
「ふっ…。
“悠”くん、だったかな?
俺はアマネじゃない。
“彼方”だ。
乃莉子が付けてくれた名だ。」
勝ち誇った表情で、彼方は乃莉子の肩を抱いた。