天使の舞―前編―【完】
「ん~…。
井上くんの彼女さんの名前を教えてもらってもねぇ。
今度紹介してもらうよぉ。
だから今は、仕事してほしいなぁ。」


「宮田?お前…本当に乃莉子が分からないのか?
…アマネのやつ。
乃莉子の存在、消して行きやがったな!」


悠はワナワナと、先をこされた怒りに肩を震わせた。


「宮田、悪いな。
短い付き合いだったが、世話になった。」


宮田の肩をポンと叩いて、悠は宮田の目の前から、忽然と姿を消した。


「ありゃりゃ?僕…?
ん~…。
…仕事しよぉ。」


どうやら、三人は居なかった事に、なってしまったようだ。


ちょっとだけ、考える素振りを見せた宮田。


しかし、自分を納得させるように小さく頷いて、何事もなかったかの様に、黙々と残っている雑誌の陳列を、始めるのであった。


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