secret lips  -この恋は秘密-



人間なんて単純


食欲を満たしたら


あとは性欲を満たすだけ





隣で眠るこの男だってそうだ




「先生、帰らなくていいの?」


「んー…、泊まって…く…」



そう呟くと再び寝息を立てて眠りについた



教師が生徒の家に泊まるだなんて



この男にはルールや常識といったものは通用しないのだろうか



起こすのは諦めて私はリビングに向かった




静かな部屋に突如響くテレビの音





こんな関係になったのはいつからだったのだろう




1年前は

まだただの先生と生徒だった




人気者の先生が目立たない存在の私に話しかけてくる事はない



お互い、何も知らない



ただの先生と生徒だった

< 3 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop