secret lips -この恋は秘密-
人間なんて単純
食欲を満たしたら
あとは性欲を満たすだけ
隣で眠るこの男だってそうだ
「先生、帰らなくていいの?」
「んー…、泊まって…く…」
そう呟くと再び寝息を立てて眠りについた
教師が生徒の家に泊まるだなんて
この男にはルールや常識といったものは通用しないのだろうか
起こすのは諦めて私はリビングに向かった
静かな部屋に突如響くテレビの音
こんな関係になったのはいつからだったのだろう
1年前は
まだただの先生と生徒だった
人気者の先生が目立たない存在の私に話しかけてくる事はない
お互い、何も知らない
ただの先生と生徒だった