secret lips -この恋は秘密-
一方の相模は少しだけ何か考える素振りを見せた後、再び口を開いた
「・・・分かりました。では一応就職と言う事にさせて頂きますので。それと、美華さんは最近引っ越しをされた様ですが、こちらとしても生徒の所在地を把握して置く必要があるもので」
そう言って相模は片桐に住所を聞き出そうとし始めた
「だから!引っ越しなんてしてない。私は今もあの家に住んでるの」
「それは本当ですか?」
私の言葉をまるで信用してない相模がまた片桐に問いかける
「えぇ、彼女の言う通りです。ここ数日は私の家でお預かりしていましたので、先生が勘違いされるのも無理はないですね」
片桐が私に話を合わせてくれた事に驚きはしたものの
これで、相模から解放されるならとほっと胸を撫で下ろす
「そうですか、分かりました。しかし、彼女は遅刻や欠席も多い様ですし念のため連絡先をお伺いしても宜しいですか?」