あたしは美味しくない!!



「僕達も、準備しましょうか」

「あ、うん。なにするの?」

「僕、水汲んできます」

「じゃあ手伝う!」

 
 ーーあたしも、なにか役に立たなきゃ!

 そう思って手を挙げたんだけど……。

「水は重いですから」

 そう、やんわりと断られてしまう。

「……薪を集めるから、手伝ってくれ」

「あ、うん!」

 ダネルに言ってもらって、薪集めを手伝うことになった。
 ウィルと分かれて、ダネルと二人で森沿いに歩きながら小枝を探す。

 やっと片腕で抱えるほど集めてダネルを見ると、あたしの倍は集めてた。

「そんなにたくさんいるの?」

「一晩中燃やすからな」

「そっか」

 ーーなら、もっと頑張んなきゃ!

「あ、みっけ!」

 森に三歩分ほど入ったところに、しっかりした枝が落ちていた。
 さっそく歩み寄って手を伸ばすーーと、枝の向こうに、透明のブヨブヨが見えた。

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