あたしは美味しくない!!



 出来上がったスープを、器によそって渡してくれる。ふわりと漂う湯気に乗って、美味しそうな匂いが鼻をかすめた。またぐぅとお腹がなる。

「いただきまーす!」

 スプーンでスープと鳥肉を一つすくって口に運ぶ。

「あちちっ、美味しい!」

 鳥肉はやわらかいし、スープは味がしっかりしているし、とっても美味しい鳥肉のスープだ。

「みんなは、食べないの?」

「さっき喰ったばかりだからな」

「お前だって、ちゃっかり喰ってんじゃねぇか」

「ミカが軟体種族に襲われていたからな」

 ーーダネル、ブヨブヨの魂を食べたのよね。

「襲われたって、大丈夫だったんですか?」

 ウィルが心配そうな顔であたしの手を取る。ーー手をとる必要あるのかな……。

「大丈夫だよ。ダネルが助けてくれたし」


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