あたしは美味しくない!!



「それなら、よかった。気をつけてくださいね?」

「うん。ありがとう」

「まぁ、そう言うことなら許してやるか」

 えらそうに言うカインも、さっき鳥を食べたみたいだし、お腹空いてないのかな。

「ウィルは?美味しいよ」

「俺が捕ってきた肉だからな!」

 えっへん、と胸を張る。なんだかちょっと損をしている気がする。

「じゃあ、スープだけ、いただきます」

「おい!肉は!」

「スープにダシが出てるでしょうし、飲み物だけでいいですよ」

「なら、一緒にスープ飲もっ」

「ん。ほら」

 ウィルには、マグに注いだスープが渡される。

「どうも。いただきます」

 コクリと一口飲んで、ほぅと息を吐く。吐いた息が、湯気を散らした。

「温まりますね」

「うん!」

 ーーやっぱり、一人で食べるより美味しいな。

 ぱくぱくと、あたしもスープをほおばった。


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