あたしは美味しくない!!



「あ……、お腹空いてきちゃった」

 少し恥ずかしくて、ごまかすように笑いながら言ってみる。

「二人ともしばらく起きませんから、二人で朝食にしましょうか?昨日のスープの残り、ですけど 」

「あ、うん!昨日のスープ、美味しかったもんね。一緒に食べよう!」

「あ、僕は……飲むだけ、ご一緒しますよ」

「鳥肉、嫌いなの?」

「いえ……そう言うわけでは……」

 なんだか罰が悪そうに、目をそらしてしまう。タイミングが良いんだか悪いんだか、またあたしのお腹が鳴って『早く温めましょうか』と、話がそれてしまう。

 ーー問い詰めるのも悪いし……。

 結局そのまま、ウィルが温めなおしてくれたスープをマグとお皿に盛って食べながら、カインとダネルが起きるのを待った。

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