あたしは美味しくない!!



 自信をもってそう言うと、とても優しい笑顔を向けられる。

「優しいのは、ミカさんの方だと思いますよ」

「へ?そう?」

「ええ。ーーあなたに会えて良かった」

 すっと、手を取って微笑まれる。

「優しい人と一緒にいると、優しい気持ちになれますね」

「そ、それはいいことよね」

 ーーどどど、どうしてだんだん顔を近づけるの?!

 優しく笑んだまま、少しずつウィルが近づいてくる。優しく、けれどしっかりと手をにぎられていて、離れられない。

 ーーちょ、ちょちょちょ!!

「おーい!ミカー!ウィルー!」

「は、はーい!」

 カインの声が天使の声に聞こえる。

 ーーカイン、ナイスっ!

「よ、呼ばれてるから、行こう?」

「そうですね。行きましょうか」

 手はつないだままだけれど、立ち上がって、顔は離れた。

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