あたしは美味しくない!!



「く、喰われるって?!野犬でも出るの!?」

 思わず叫ぶと、なぜだか真ん中の子が眉をしかめた。

「違いますよ。魔物に、です」

 左端の子になだめるように言われたけれど、余計に落ち着かない。

「いやいや、魔物ってなに?」

 当然の疑問だと思ったのだが、三人は、きょとんと顔を見合わせた。

「お前、ほんとにどこから来たんだよ?」

「へ?」

「俺等が魔物だよ。国の外で人に会うわけねぇだろ」

 たっぷり十秒はフリーズしてたと思う。
 三人の顔を見てみても、冗談を言っているようには見えなかった。

「あ……あ……」

「あ?」

「あたしは美味しくない!」

 悲鳴に近い声で叫んで、あとずさ――ろうとして、尻餅をついた。

「きゃっ……」

「大丈夫ですか?」

 左端の子が歩み寄ってきて、こちらに手を伸ばす。

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