あたしは美味しくない!!
あたしも一緒にメニューをのぞき込んだものの、やっぱり知らない文字で書かれていて、なにがなんだかさっぱり……。
「うーん……。みんなは、なににするの?」
「僕は、飲み物ですね」
「俺はこれだな。肉!」
ーーうーん……それだとメニューに何があるのか分かんない……。
「読み上げるか?」
「あ、うん!お願い」
ダネルがメニューを上から順に読み上げ始める。
「脳味噌の肝ソース和え、コオロギのーー」
「あ、うん。やっぱり読まないで……」
ーー合わない料理名は食欲なくなりそう……。
「食べられる料理を言えば、似たものを探すが?」
「んーと……目玉焼き、とか?」
ーーここに落ちてくる直前の朝食が、パンと目玉焼きだったんだよね。……遅刻しそうでパンしか食べてないんだけど。
「目玉焼きならあるぞ」
カインがメニューの一つを指さした。
「あ、じゃあ、あたしそれにする!」
「んじゃ、決まりだな。おーい!」
呼ばれて、店の奥からさっきのウェイトレスさんが歩いてきた。
「は~い。ご注文は?」