あたしは美味しくない!!
「ええと、だから、鶏の卵を割って、そのままの形で焼くと、黄身のところが黒目で、目玉に見えるって言う……」
「人間の食うもんはややこしいな」
「ごめん……」
「まぁ、いいけど。目玉は喰ってやるけど、その葉っぱは喰わないぞ」
げぇっ、と忌々しそうに緑の野菜を睨む。
「野菜、嫌いなの?」
「そんな苦いもん喰えねぇよ」
「そんなに苦いかな……?あたしは野菜好きだよ。うん、野菜は食べられるから自分で食べます」
「ん。ほら」
コロコロと自分のお皿に目玉を移して、野菜だけになったお皿を返してくれる。
「ありがと」
「でも、ミカさん。野菜だけで足りますか?」