あたしは美味しくない!!
「俺は食わなくても問題ない」
「じゃあ、食べても問題ないんだよね?」
言ってみると、ダネルは少し笑ってハンバーグを一口食べた。
「……美味いな」
「でしょ!」
頼んでくれたのはダネルなんだけど、ちょっと得意げに胸を張ってみる。
「みんなで食べると美味しいね」
わいわい雑談を交えながら、みんなで食事を楽しんだ。
ちょうど食べ終わったところで、グラスが一つ運ばれてきた。
ダネルが頼んでいたもう一つのもので、これもあたしのために頼んでくれたらしい。
「あ、美味しい」
薄いピンクとオレンジ色の液体がマーブル模様にグラスに注がれていて、くるんと丸まった赤いストローが差してあった。
これも果物の果汁らしく、さっき飲んだのとは違ってさっぱりとした口当たりだった。
「気に入ったなら、よかった」
「うん、ありがと。それにしても、ダネルって、どうしてそんなにあたしの考えてること分かるの?さっきの目玉焼きのことも、それにーーよく考えたら、あたしの考えてることにも相槌打ってくれるね」
さっき聞きそびれたことを訊いてみると、ウィルが『あっ』と声を上げた。
「ミカさんは、知らないんでしたね」
「え、なにを?」