あたしは美味しくない!!
首を傾げると、カインが得意そうにダネルを指さす。
「こいつ等悪魔族は、周りに居るやつの心の声が聞こえるんだ」
「あ、そうなんだーーって、ええぇぇええ!?」
あたしの大声で、無関心になりつつあった周りの魔物達の視線がまたあたしに集中してしまう。
ーーいや、そんなことより!
「じゃ、じゃあ、出逢ってから今まで、あたしの考えてること……ダネルには全部筒抜けだったってこと?!」
「……まぁな」
「え、え~……そんなぁ……」
「そんなに聞かれて困ること考えてたのかよ?」
カインはおかしそうに笑っている。
「いや……それは、まぁ、その……」
ーー答えた時点で恥ずかしというワナ……!!
「特に聞かれて困るようなことは考えていなかったが」
ーーいや、ダネルが答えちゃうってことは、やっぱり全部聞かれちゃってるってこと、よね……。
「……聞きたくて聞いているわけではない。無条件に聞こえる特性だ」
「そう、なんだ」
ーー嫌でも聞こえちゃうなら、あたしが文句言うことじゃない、よね。う~……でも、やっぱり恥ずかしいなぁ……って。
「ーー今のも、聞こえてるの?」