あたしは美味しくない!!
「ま、しばらく一緒に過ごすんだしな。いちいち気にしてられねぇよ」
「うん。早めに慣れちゃうことにするね」
「それがいいですよ。……さてお腹も膨れたことですし、これからの方針を決めましょうか」
ウィルがすっと少し前のめりになって、みんなを見渡す。その仕草だけで聞かなくちゃという気持ちになるから不思議だ。
「まず、僕とカインは情報収集ですね」
「稼ぎ所と、あとはミカがどうやって帰るかだな。ミカが落ちたとか言ってたおうだん……ナントカについて訊いてまわるか」
「おうだんほどう、だ。ナントカでは聞き込みにならない」
ダネルが半眼でカインを見やる。口ではため息まで吐いていた。
「そんな目で見なくったって分かってるっての!」
「なら、言ってみろ」
「お、おうだん……おうだん……」
「……」
「……」
「……」
思わず全員で半眼になってしまう。