あたしは美味しくない!!



「みっ、見てろよ!絶対今日中に言えるようになってやるからな!」

 ーー今日中はちょっと目標が低すぎる気がするよカイン……。

「さておき、俺とミカは買い出しだな」

「おい!勝手におくなよ!」

「……」

「……」

「……」

「……すみません、おいてください」

 ーーさすがのカインも、全員に半眼で見られるのは堪えるみたい。

「あたしとダネルが買い出しで、ウィルとカインが情報収集ね」

「はい。それぞれ終わり次第、宿に帰るということにしましょうか」

「そうだな。ーーカイン、変なホラ話でぼったくられるなよ」

「なんで名指しなんだよ……」

「ウィルはぼったくることはあっても、ぼったくられることは無いだろう」

「や、それはそれでヒドいこと言ってない……?」

「そんなことはない」

 ダネルはいたずらっぽく笑みを浮かべると席を立つ。

「さて、行くか」

 ダネルに続いて、あたしたちも席を立った。

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