あたしは美味しくない!!
「ミカさんですね。帰り道はわかりますか?よければ送りますよ」
ウィルが愛想よく言った。
――あと手、握ったままなんだけど……。
「それが、その……どうやって来たのかも分かんなくて……」
「立ち往生、といったところか」
「……おっしゃるとおりです」
――うぅ、どうしよう……また目が潤んできたよー……
「泣くなって!帰り道探してやるから!」
「うぅ……ほんと?」
「ああ。このままほっといたら気分わりぃしな」
「ぐす……ありがとう!」
――魔物だか何だか分かんないけど、優しいみたい。
「とにかく、だ。俺等、魔女の町に行く予定なんだ。どうせ帰り方がわからねぇなら、とりあえず一緒に行こうぜ」
「魔女の町?」
――どんなところだろう?コウモリとかクモがいっぱいいるのかな……。