スイートなメモリー
「美咲」
「なんですか」
美咲は俺を、頼りないと思いながらも俺の持ち物として応えてくれようとしている。それがありがたかった。
抱きしめようか、美咲の豊かな胸を揉みしだいてやろうかと考えた末、どちらもやめた。
「荷物の中に、焼き菓子も入っているから食べたらいい」
美咲と雪花女王が、焼き菓子を空けている姿を眺めながら、俺は美しかった芹香の姿を思い出す。
俺の為に泣いていた芹香を。
俺のために綺麗になろうとしてくれていた芹香を。
ウェディングドレスに身を包んだ芹香は、とても美しかった。
俺は思い出す。
キャンドルサービスで隣のテーブルに来た時に、「ご主人と幸せにね」と声をかけられた芹香が、無意識に首元に手をやったことを。
わかってる。
芹香の主人は俺じゃない。
わかってる。
なのにどうして。
俺は、背後から美咲に覆いかぶさり、スーツのポケットに入れていた革の首輪を美咲の首に巻き付けた。泣いているのは悟られないように。それなのに、美咲は首に添えられた俺の手をやさしく握りしめてくれた。
雪花女王が、美咲の肩に預けた俺の頭を乗馬鞭で上に向かせてにやりと笑う。手にしていたクッキーを口にくわえてそのまま俺の口元へと近づける。
俺は涙を流したまま、それを黙って受け入れた。
「なんですか」
美咲は俺を、頼りないと思いながらも俺の持ち物として応えてくれようとしている。それがありがたかった。
抱きしめようか、美咲の豊かな胸を揉みしだいてやろうかと考えた末、どちらもやめた。
「荷物の中に、焼き菓子も入っているから食べたらいい」
美咲と雪花女王が、焼き菓子を空けている姿を眺めながら、俺は美しかった芹香の姿を思い出す。
俺の為に泣いていた芹香を。
俺のために綺麗になろうとしてくれていた芹香を。
ウェディングドレスに身を包んだ芹香は、とても美しかった。
俺は思い出す。
キャンドルサービスで隣のテーブルに来た時に、「ご主人と幸せにね」と声をかけられた芹香が、無意識に首元に手をやったことを。
わかってる。
芹香の主人は俺じゃない。
わかってる。
なのにどうして。
俺は、背後から美咲に覆いかぶさり、スーツのポケットに入れていた革の首輪を美咲の首に巻き付けた。泣いているのは悟られないように。それなのに、美咲は首に添えられた俺の手をやさしく握りしめてくれた。
雪花女王が、美咲の肩に預けた俺の頭を乗馬鞭で上に向かせてにやりと笑う。手にしていたクッキーを口にくわえてそのまま俺の口元へと近づける。
俺は涙を流したまま、それを黙って受け入れた。