スイートなメモリー
「芹香は、俺のものだよ」
下から打ち付けられるような感覚と、首にかかる不自然な重さ、そして時折鎖で引き寄せられて、舌を吸われ、耳元でこれまで言われたことの無いことをささやかれる。
再びとめどなくあふれる羞恥と興奮。
ほどなくして訪れる、これまで感じたことの無い絶頂感。
それと共に、私の感情の押さえはきかなくなった。
エクスタシーを予告した後、私の身体は大きく震え、三枝君自身を飲み込んでいた部分は激しく収縮し、私は自ら腰を振りながら三枝君に抱きついて……。
果てた後、大泣きした。
何故かなんて、わからなかった。
私が泣いている間、三枝君がずっと優しく抱きしめてくれていた。
最中の押しの強さはいったいどこへ行ってしまったのか、おろおろするような素振りさえ見せる。
「ごめんね、怖かった? え? 怖くはなかった? 良かった。どうしよう。俺嫌われちゃうかも? こんなに一気にやろうと思ってなかったんだけどつい虐めたくなっちゃって。ごめんね、ごめんね? 怖かったよね。大丈夫だよ。嫌いで虐めてるんじゃないんだよ。俺芹香さんのこと好きなんだよ。だから大丈夫だから」
泣いているのだけれど、三枝君の慌てぶりがおかしくて笑ってしまう。
確かに、受け入れられるかどうかはわからないけれど、少なくとも三枝君のことを嫌いになったりはしない。
むしろ、自分がこんなことをするとは思わなかったこと、さらにそれを身体が受け入れてしまったことに困惑している。
言葉で返事をする代わりに、自分から三枝君にキスしてみた。
私の首には、三枝君の首輪が嵌められていて、その首輪についた鎖の先は、三枝君がしっかり握ってる。

どうすればいいのでしょうか。

ご主人様、と呼べばいいのでしょうか。
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