スイートなメモリー
ふと、不安になる。
黙って俺を見ている雪花女王と美咲に、俺の不安をぶつけてみた。
「もしや。相手は俺と同じように思ってないと二人は考えてる?」
雪花さんがにやりと笑った。
「さあそれはどうかしらね。私は貴方の奴隷さんではないからわからないわ」
美咲も、うつむきながら遠慮がちに話す。
「私もわかりませんが、でも……」
続きを口にするのを躊躇した美咲が、雪花さんの膝に手を置いて彼女を見上げ、許しを請うような表情を見せた。
雪花さんは美咲の頭を撫でてうなづく。
話してやりなさい、とでも言うように。
「今の学人様と同じように、きっと奴隷さんも不安でしょうね。お話を聞いていて、私も学人様が彼女のことをどう思っているのかがわかりませんでした」
「俺ってそんなに頼りない?」
雪花さんと美咲が、顔を見合わせて苦笑した。
「そういうことじゃあ、ないのよ。ご主人様たるもの、やっぱりもっと女心というものを熟知しないといけないわ。若いということは、ただそれだけで罪たるものになるわね」
「頼りない、というわけではないんですよ。ご主人様には、奴隷を受け入れる覚悟をもっていただきたいと、そう願っているんです」
女の言うことは回りくどくてわかりづらい。
もっとはっきり俺のどこがいけないのか言ってくれればいいのに。
しかし「もっとはっきり言ってくれ」と頼んだところで、この二人はまた苦笑して「学人さんは馬鹿だ」というだけだろう。
芹香さんも不安なのか。
どうなんだろう。
そういえば、彼女も思っていることをはっきり言わない時がある。
テーブルの上に置いていた携帯がメールの着信を知らせた。
芹香さんからだった。
嬉しくて、すぐに確認する。
「仕事が終わったので帰宅途中です。学人さんはもう帰られましたか。毎日顔を見ることができて嬉しいけれど、なんとなく不安になることもあります。またゆっくり話したいです。明日とか終わったら会えたら嬉しい」
黙って俺を見ている雪花女王と美咲に、俺の不安をぶつけてみた。
「もしや。相手は俺と同じように思ってないと二人は考えてる?」
雪花さんがにやりと笑った。
「さあそれはどうかしらね。私は貴方の奴隷さんではないからわからないわ」
美咲も、うつむきながら遠慮がちに話す。
「私もわかりませんが、でも……」
続きを口にするのを躊躇した美咲が、雪花さんの膝に手を置いて彼女を見上げ、許しを請うような表情を見せた。
雪花さんは美咲の頭を撫でてうなづく。
話してやりなさい、とでも言うように。
「今の学人様と同じように、きっと奴隷さんも不安でしょうね。お話を聞いていて、私も学人様が彼女のことをどう思っているのかがわかりませんでした」
「俺ってそんなに頼りない?」
雪花さんと美咲が、顔を見合わせて苦笑した。
「そういうことじゃあ、ないのよ。ご主人様たるもの、やっぱりもっと女心というものを熟知しないといけないわ。若いということは、ただそれだけで罪たるものになるわね」
「頼りない、というわけではないんですよ。ご主人様には、奴隷を受け入れる覚悟をもっていただきたいと、そう願っているんです」
女の言うことは回りくどくてわかりづらい。
もっとはっきり俺のどこがいけないのか言ってくれればいいのに。
しかし「もっとはっきり言ってくれ」と頼んだところで、この二人はまた苦笑して「学人さんは馬鹿だ」というだけだろう。
芹香さんも不安なのか。
どうなんだろう。
そういえば、彼女も思っていることをはっきり言わない時がある。
テーブルの上に置いていた携帯がメールの着信を知らせた。
芹香さんからだった。
嬉しくて、すぐに確認する。
「仕事が終わったので帰宅途中です。学人さんはもう帰られましたか。毎日顔を見ることができて嬉しいけれど、なんとなく不安になることもあります。またゆっくり話したいです。明日とか終わったら会えたら嬉しい」