スイートなメモリー
なんとタイムリーなのか。
彼女のメールにはっきりと「不安」の二文字が刻まれている。
なにを。どう。不安に思うのか。
それをはっきり書いてくれないとわからないじゃないか。
いらついて、モスコミュールを一気に喉に流し込む。
咳き込んだ俺を見て、雪花さんが俺の手から携帯を取り上げ、声を出して笑って美咲に手渡した。
美咲も、画面を覗き込んで、泣き笑いみたいな顔をした。
なんだってんだ。
美咲の手から携帯を取り返す。
俺は芹香さんに返事もせずに携帯を閉じてジャケットのポケットへ入れた。
「ほらねえ」
してやったり、みたいな顔の雪花さんが右手に持った乗馬鞭を左の手のひらに軽く打ち落としてリズムを取る。
「やっぱり学人さんが彼女を受け入れる覚悟ができてないっていうの、当の彼女には伝わっているのだと思うわ」
「人を好きになればなるほど、不安になるものですよ」
わかったような顔をしている二人に何も言えずに、俺はソファから立ちあがった。
「彼女がどう考えているかなんて、彼女しかわからないと思うんだけどな」
彼女のメールにはっきりと「不安」の二文字が刻まれている。
なにを。どう。不安に思うのか。
それをはっきり書いてくれないとわからないじゃないか。
いらついて、モスコミュールを一気に喉に流し込む。
咳き込んだ俺を見て、雪花さんが俺の手から携帯を取り上げ、声を出して笑って美咲に手渡した。
美咲も、画面を覗き込んで、泣き笑いみたいな顔をした。
なんだってんだ。
美咲の手から携帯を取り返す。
俺は芹香さんに返事もせずに携帯を閉じてジャケットのポケットへ入れた。
「ほらねえ」
してやったり、みたいな顔の雪花さんが右手に持った乗馬鞭を左の手のひらに軽く打ち落としてリズムを取る。
「やっぱり学人さんが彼女を受け入れる覚悟ができてないっていうの、当の彼女には伝わっているのだと思うわ」
「人を好きになればなるほど、不安になるものですよ」
わかったような顔をしている二人に何も言えずに、俺はソファから立ちあがった。
「彼女がどう考えているかなんて、彼女しかわからないと思うんだけどな」