スイートなメモリー
いやらしいことをされて恥ずかしい思いをさせられるよりも、ずっとずっと恥ずかしかった。
学人さんを自分の思いどおりにしたくて彼を試していたことを知られて、とても恥ずかしかった。
嫌われたんじゃないかと思って。学人さんの表情から彼の考えていることが少しでも伺えないかと思って。涙をこぼしながらじっと学人さんを見つめていた。
私の頬に添えられた学人さんの手に自分の手を添える。払われるのではないかと怖かったが、それは無かった。安心した。
「私のこと……軽蔑した?」
「どうして」
「がっかりしたんじゃないの?」
「別に? だって芹香さんは俺のことが好きでそんなことしたんでしょう?」
なんの遠慮もなくそんな気恥ずかしいことを言われて、こちらが照れる。けれどそれは事実だ。
頷くしか無い。
「だったらさ」
学人さんの好意を失いたくなくて、私は必死で彼の言葉に耳を傾ける。
捨てられないためになんでもしようと思い始めていた。
「明日、下着をつけないでストッキング履いてきなよ。ガーターよりもずっと恥ずかしいと思うよ」
この時私は、学人さんを失わないで済むなら、そのくらいはどうということはないと思った。
本心だった。この時は。
学人さんを自分の思いどおりにしたくて彼を試していたことを知られて、とても恥ずかしかった。
嫌われたんじゃないかと思って。学人さんの表情から彼の考えていることが少しでも伺えないかと思って。涙をこぼしながらじっと学人さんを見つめていた。
私の頬に添えられた学人さんの手に自分の手を添える。払われるのではないかと怖かったが、それは無かった。安心した。
「私のこと……軽蔑した?」
「どうして」
「がっかりしたんじゃないの?」
「別に? だって芹香さんは俺のことが好きでそんなことしたんでしょう?」
なんの遠慮もなくそんな気恥ずかしいことを言われて、こちらが照れる。けれどそれは事実だ。
頷くしか無い。
「だったらさ」
学人さんの好意を失いたくなくて、私は必死で彼の言葉に耳を傾ける。
捨てられないためになんでもしようと思い始めていた。
「明日、下着をつけないでストッキング履いてきなよ。ガーターよりもずっと恥ずかしいと思うよ」
この時私は、学人さんを失わないで済むなら、そのくらいはどうということはないと思った。
本心だった。この時は。