スイートなメモリー
またストッキングの上からお尻を撫でられる。
そして私は自分の世間知らずぶりを思い知らされることになった。
ストッキングは脱がせてもらえるものだと思い込んでいたのだ。
ウエストではなく、お尻の広い面からナイロン生地をつまみ取られて私は焦った。振り向こうとして頭を押さえ付けられる。
お尻のあたりでストッキングをたぐり寄せながら、私の背中に学人さんの身体が密着する。首筋に学人さんの吐息。
「せっかくここまでしてくれたんだから。履いたままさせてくれるよね。それともここまできてこれ全部脱がせて、そんなに俺をがっかりさせたいの?」
ストッキングの縫い目をなぞるようにして、学人さんの指が私の身体を確かめていく。
「乾いていたほうが破れやすかったんじゃないのかな。そんなことない? ああ、ストッキングをこんな風に濡らしたことなんかないからわからないか。そうだよな」
ナイロンが湿って肌に張り付いているのは、汗でないのがわかっているから恥ずかしい。
こんな風にされて、こんなに感じているのがわかられているのが恥ずかしい。
けれど、学人さんのことを好きだから、こんな風にされても言われるがままにしてしまう。かしづいてしまう。
「や、ぁ……。お願い……はや、く……」
「触ってほしいの?」
押さえ込まれて自由にならない身体のまま、出来る限り動いて首を縦に振る。
「色々虐めたいんだけど、俺も時間あまりないからね」
ストッキングが引っ張られ、縫い目の部分からぷちん、と音が聞こえた。学人さんが指を差し入れて、ストッキングは破かれていく。
日中ずっと直にナイロンに包まれていた性器に外気が触れ、そのすぐあとに指で触れられて、私の性器はぴちゃりと水っぽい音をさせる。
思わずため息をもらす。
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