ラッキービーンズ【番外編】
「あ、あのリアちゃん……!」


もう限界かなと思った。

だって私はもう協力してくださいなんて頼まれてもできない。


彼を誰にも渡したくない。


だからリアちゃんには全部正直に話して謝ろうと思った。


「メイさん」

「え?」

「気持ち悪い……」


リアちゃんはそう言うと、突然その場にしゃがみ込んだ。

慌ててそばに駆け寄って背中をさすって声をかける。


「大丈夫!? 吐きそう?」

「うー……」


私の問いには首を振ったものの、リアちゃんはその場から動かない。

私の声に気づいた水嶋がキッチンまで様子を見に来てくれた。


「リアちゃん、調子悪いの?」

「うん、飲みすぎ、かも……」


そんなに飲んでただろうか。

それより、リアちゃんってお酒弱かったんだっけ?


記憶の糸を手繰っても、リアちゃんとお酒を飲んだことなんて数えるほどしかなくて、その中で彼女がどれぐらいお酒に強いかなんて全然浮かんでこなかった。
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