ラッキービーンズ【番外編】
「吐きそう? トイレ行く?」
「……横になりたい」
リアちゃんの絞り出すような声に「ん、わかった」と答えると水嶋はリアちゃんの脇に手を差し込んで抱き抱えるようにリアちゃんを立たせた。
「ベッドまで歩ける?」
「はいぃ……」
そのまま支えながら、ゆっくりと歩いてキッチンから出ていった。
私はそれをただ突っ立って見送ることしかできなかった。
私にできる役割がなかったっていうのもあるけれど、正直言うとショックで動けなかった。
また黒い感情がぶわっと胸に湧いてでて、それを表面に出さないように押さえ込むので精一杯だった。
だって、嫌だって思ってしまった。
リアちゃんをベッドに寝かせるって聞いた瞬間。
いつも水嶋が寝ているベッドに、週末は二人で眠るベッドに。
他の女の子を寝かせないでって思ってしまった。
リアちゃんは体調が悪いのに。
友達なのに。
そしてそんな自分がどうしようもなく嫌になって、リアちゃんの様子を見に行くこともせずに、キッチンで片づけに専念した。
言いたいこと、言えないの私の悪いクセだって水嶋は言うけれど。
この場合、嫌だなんて言えないよね、普通。
「……横になりたい」
リアちゃんの絞り出すような声に「ん、わかった」と答えると水嶋はリアちゃんの脇に手を差し込んで抱き抱えるようにリアちゃんを立たせた。
「ベッドまで歩ける?」
「はいぃ……」
そのまま支えながら、ゆっくりと歩いてキッチンから出ていった。
私はそれをただ突っ立って見送ることしかできなかった。
私にできる役割がなかったっていうのもあるけれど、正直言うとショックで動けなかった。
また黒い感情がぶわっと胸に湧いてでて、それを表面に出さないように押さえ込むので精一杯だった。
だって、嫌だって思ってしまった。
リアちゃんをベッドに寝かせるって聞いた瞬間。
いつも水嶋が寝ているベッドに、週末は二人で眠るベッドに。
他の女の子を寝かせないでって思ってしまった。
リアちゃんは体調が悪いのに。
友達なのに。
そしてそんな自分がどうしようもなく嫌になって、リアちゃんの様子を見に行くこともせずに、キッチンで片づけに専念した。
言いたいこと、言えないの私の悪いクセだって水嶋は言うけれど。
この場合、嫌だなんて言えないよね、普通。