ラッキービーンズ【番外編】
「あらー、でもヤギーみたいなタイプはハッキリしないとあきらめ悪そうだから、よかったんじゃないですか」

「そ、そうかな」


大体、八木原くんがどこまで私のこと本気だったか分からないけれど、強い態度で拒否できない私だから、妙に期待もたせちゃったということはあるのかもしれない。


「八木原さん、ああ見えて仕事はデキるみたいだし、そんなに口の軽い男じゃないと思いますよー」

「……うん。私、ダメだよね、妙に心配性で」


リアちゃんも八木原くんも、中身はすごくしっかりしてるって、私は分かってたはずなのになぁ。

リアちゃんに言ってもらえて、初めて二人のこと軽く見過ぎてたんだって反省するなんて。


「水嶋にも余計な心配かけちゃったし」

「ふふ。愛あればこそですね」

「どういう意味?」

「だーってメイさんは水嶋さんのことが大切すぎて、壊されたくないから神経質になっちゃうんてしょ? そこまで真剣になれる相手と付き合いたいなーって思いました。適当な出会いとかじゃなくって」

「……」

「だからやっぱり私は今年のクリスマスは適当な相手とは過しません! 水嶋さんにキッパリフラれてよかったー。メイさんみたいに運命の相手見つけなきゃね」


リアちゃん、その発言って水嶋のこと適当な相手としてみなしてたってことじゃ……なんて思ったけれど、リアちゃんが嬉しいことを言ってくれたから私は黙ってうなずいておいた。
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