ラッキービーンズ【番外編】
「水嶋……、私、リアちゃんにちゃんと話したよ?」
「ああ」
言わなくても水嶋には分かっていたのかもしれないけれど、やっぱり私はちゃんと報告したくて、上を見上げたままポソッとつぶやくように言った。
だけど水嶋はちゃんと私の言葉を拾ってくれて、まるで褒めるように私の頭をするりとなでると、自分の肩へと押しつけた。
肩を抱かれて彼の肩に頭を預けて。
こんなラブラブカップルみたいな真似、普段だったら恥ずかしくてできない。
でも一年のうちで、今日くらいはいいよね?
「社内の人に知られるのは怖いって思ってたけど……」
「ああ」
「水嶋を取られるって思ったとき、そっちの方が全然怖いことなんだって分かったの」
私はいたって真剣に話していたのに、隣で水嶋はプッと吹き出した。
「取られるって……。ねーだろ」
「だってリアちゃんのこと寝室に運んで……。あとでそれがリアちゃんの演技だったかもしれないって八木原くんに聞いたら……」
「心配でたまらなかった?」
いたずらな瞳で顔をのぞきこまれる。
まるでキスできそうなくらいの近い距離にドキドキする。
だけどさすがにこんな外で……っていう気持ちが先に働いて、私は逃げるようにうなずいた勢いで、下を向いてしまった。
「ああ」
言わなくても水嶋には分かっていたのかもしれないけれど、やっぱり私はちゃんと報告したくて、上を見上げたままポソッとつぶやくように言った。
だけど水嶋はちゃんと私の言葉を拾ってくれて、まるで褒めるように私の頭をするりとなでると、自分の肩へと押しつけた。
肩を抱かれて彼の肩に頭を預けて。
こんなラブラブカップルみたいな真似、普段だったら恥ずかしくてできない。
でも一年のうちで、今日くらいはいいよね?
「社内の人に知られるのは怖いって思ってたけど……」
「ああ」
「水嶋を取られるって思ったとき、そっちの方が全然怖いことなんだって分かったの」
私はいたって真剣に話していたのに、隣で水嶋はプッと吹き出した。
「取られるって……。ねーだろ」
「だってリアちゃんのこと寝室に運んで……。あとでそれがリアちゃんの演技だったかもしれないって八木原くんに聞いたら……」
「心配でたまらなかった?」
いたずらな瞳で顔をのぞきこまれる。
まるでキスできそうなくらいの近い距離にドキドキする。
だけどさすがにこんな外で……っていう気持ちが先に働いて、私は逃げるようにうなずいた勢いで、下を向いてしまった。