ラッキービーンズ【番外編】
「あ……っ、な、んで……っ?」

「ん? メイは俺のこと大人で頼りになるって思ってるだろ?」


熱く息を吐きながら、しなやかな律動で私を翻弄しながら、水嶋はそんなことを言った。


確かにそう思ってるけど。

尊敬できるところが好きだとも思ってたけど。


「あんまガキっぽいとメイをガッカリさせちゃうからな」

「きゃ、んっ」


冗談っぽく笑いながら言って、腰を回すように押しつけてきた。

奥まで届く刺激に、頭の中がスパークしそうだけど。でも。


水嶋が言った言葉の意味を一生懸命考えていた。


八木原くんとのこと、怒ってるように見えたのはやっぱり気のせいじゃなくて……。

でもそんな自分を子どもっぽいと恥じていたの?


だから私に何も言わなかったの?


「わ、私っ、は……!」

「は……っ、メイっ、も……黙って」


二人の体温が混ざりながら上昇して、水嶋の息も上がってくる。

だけどこの想いは今、伝えたい。


「ハヤタの全部が好き、だからっ」


繋がって、一緒に天辺まで昇りながら、愛を伝えられる幸せを噛みしめながら言った。

ドロドロに身体が溶けて、愛しいって気持ちが後から後から溢れてくる。


身体なんか、混ざっちゃえばいいのに。

そうしたら私の気持ち、全部伝わる。
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