私の彼は強くて優しい不良です。
…ガラッ
「美結いる?」
女子の視線が一気にこちらに向く。
「く、黒瀬くん…」
そこには黒瀬くんが立っている。
もう、また睨まれてるよー。女子って怖い。
「美結、一緒に飯食おうぜ」
呑気な黒瀬くんをよそに周りの女子の静かな怒りがヒシヒシと伝わってくる。
「いやっ、でも彩花と食べるって約束だし…」
「別に構わねぇし。俺も友達いっから」
いやいや、そういう問題じゃなくて!
「でもねぇ?…彩花が良くないよね?」
うんと言えという私の気持ちなんて届かず、
「えっ?私はいいよ!」
と目を輝かせながら言う彩花。
「そっか、じゃあ行くぞ」
黒瀬くんの言葉と共に、彩花はウキウキ、私はシブシブと着いて行った。