君の背中
君の背中








目の前にいる女を見る。


パリッとしたスーツを着こなし、しっかりと結われたその髪は、まさにできる女の姿だ。


彼女は26歳という若さにしてチーフに任命された、とても有能な上司である。





「――今すぐ準備して。

30分後に社を出るから。」





女にしては少し低いその声に俺は、彼女を観察することから必要な資料を纏める作業に切り替えた。










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――――






「・・・はぁ、ん。」





吐息とため息が混ざり合ったような、この快楽を必死に噛み殺そうとして漏れた息を聴きながら、俺は自分の下にいる女を見る。会社ではあんなに隙のない女が、あられもない姿で喘いでいる様を見て、言いようのない征服感に包まれる。





『――今日、感じやすいね。』





彼女の弱点である耳元に息が掛かるように低い声で囁く。案の定、思わず反応したことにかすかに笑えば、居心地の悪そうに身じろぎをする。その可愛さに俺はさらに深い愛撫を彼女に施していった。









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