鬼の花嫁
そっと腕を見ると、
着物の上から血が滲んでいる。
意外と傷口が深いみたい…
なんてことだ。
「ありがとう…ございます……」
お礼を言うと、風神さんは
薬を持ってくると部屋を出て行った。
……今思い出しても身震いする。
刀で切られる痛み、
助けてもらえない恐怖、
狐の殺気………
狐は私を食うと言った。
「私、本当に特別な体質なの……?」
信じていなかったけど…
本当に、私の血肉を欲する人なんていたんだ。
ギュッと震える体を抱きしめて、
涙を堪えた。
そうしていると、風神さんがやってきて
私に声をかけてきた。