鬼の花嫁
真っ赤な顔の私。
風神さんの着物を掴む手に力が入る。
すると、ポンっと頭に
手を置かれ雑に撫でられた。
「良かろう」
「ほんとですか!?」
わかりやすいくらいに
満面の笑顔を向ける。
嬉しい、やった!
「どこか出かけるか?」
「えっ、じゃあ…買い物…したいです」
買い物なんて、
全然してなかったし…
そう言うと、
微笑を浮かべる風神さん。
「わかった。準備しておけ」
「はい!」
自分の部屋に戻り、
制服から普段着へ着替える。
ワンピースにコート、
シンプルながら落ち付いた服装。
化粧も丁寧にして、
鞄を持って風神さんのところへ向かう。