鬼の花嫁
うー……取り巻きってぇぇー……
分かっていたが
彼とは釣り合わない外見という事に
やっぱり少なからずショックを受ける。
そんな私の落ち込みにも
気づかない彼から視線を外して
冷たくなった手にはぁーっと
息を吹きかける。
「寒いか?」
「え?…あ、少し…」
「なら、こうすれば温かいだろ?」
ぎゅーっと握られる手。
赤くなる顔
すると優しく頬を撫でられる。
それが余計に恥ずかしくなって
ふいっと俯く。
「桜」
「…はい?」
握ったままの手を引かれ、
そのまま風神さんについて行く。