鬼の花嫁
「あら、風神さんじゃない。
珍しい事もあるのね」
くすりと笑って、
少しからかうように言う女性。
「…水流(スイリュウ)か。
今日は涼(リョウ)はいないのか」
返事をする風神さん。
「残念、涼(リョウ)さんは今出掛けてるのよ」
「もう少しで帰ってくると思うけど」
と言って、スウ…と
煙管を吸う水流という女性。
その姿がなんとも色っぽくて
ポー…と見惚れてしまう。
そして、パチっと目が合った途端
ガタタッと此方に向かって小走りで向かってきた。
「…あ!貴女、もしかして桜ちゃん!?」
なにか思い出したように私を見て、
はしゃぎながらこちらに来る。
「………えっ?」
何故、この美女は私を知ってるんだ。